マンション管理士の出題分野は4分野

マンション管理士の出題範囲は、非常に広範に渡ります。さまざまな法令問題や建築技術、会計や保険など勉強しなければいけない分野が無数にあり、建築業や不動産業に携わっている人でも、簡単に合格できるものではありません。

本試験の出題分野は4分野で、

1.マンション管理に関する法令及び、実務に関すること
2.管理組合の運営の円滑化に関すること
3.マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること
4.マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること

という事にはなっています。
ところがその範疇にある法律や要件といいますと、ざっと数えあげただけでも以下のような内容が挙げられます。

区分所有法、民法、民事訴訟法、破産法、民事執行法、宅建業法、車庫法、郵便法、警備業法、下水道法、水道法、浄化槽法、消防法、電気関連法、マンション標準管理規約、マンション標準管理委託契約書、建築基準法、都市計画法、不動産登記法、マンションの建替えの円滑化等に関する法律、被災区分所有法、マンション管理の適正化の推進に関する法律といった法律の他、建築設備、建築構造、維持保全、会計・税務・簿記…。??

法律分野だけを見ても、『片寄ることなく万遍なく勉強を…』などと、戦略なしで試験対策に臨んではとんでもないことになってしまいそうですね。

それでも戦略立った試験対策という意味で、受験者のみなさんにプラスの情報もあります。それは今年2010年度で試験がようやく10回目になり、当初より少しずつ難易度は増してはいるものの、出題傾向がほぼ固まってきたように見受けられることです。

マンション管理士試験の構造

ポイントを先に述べましょう。ここ数年来の出題範囲を分類してみますと、
「区分所有法」「マンション標準管理規約」「民法」「建築設備」「適正化の推進に関する法律」の5科目で、全50問中40問以上(つまり8割以上)が占められていることが近年の傾向としてあります。この5科目が優先順位の高い科目です。
さらに細分化して、マンション管理士試験の構造に迫ってみましょう。

最優先科目は「区分所有法」

区分所有法からの出題は最も多く、単独で毎年10問以上、間接的に関わってくる問題も含めれば全問題の半分近くを占めています。

10問程度に関わってくる「民法」

続いて重要な法律は民法です。単独では5問程度ですが、他の分野に分類されている問題にも、民法の知識がないと解けない問題が多々あります。実質的には10問程度の出題があると考えたほうがよいです。

勝敗の分け目となる「建築設備」?

マンション管理士試験の受験層には、建築屋さんもたくさんいます。文化系出身の方にはハンデに感じられてしまう分野かもしれません。しかし例年確実に10~15問の出題がなされています。この分野も外せません。しかしさほど臆する必要がないのは、この分野は暗記で攻略できる科目であることです。二級建築士の入門書レベルのテキストでも建築・設備を覚えるだけでもかなりの対策ができます。苦手意識を捨てて取り組んでください。

得点源となる「マンション標準管理規約」

最もやさしい分野です。マンション標準管理規約とそれに付随する要件をきちんと学習すればすべて得点できる。要はこれも暗記科目です。毎年10問近く出題されますので、ここは外せないところです。

試験攻略ポイントの要点

試験攻略ポイントの要点をおさらいしてみましょう。

(1)法律は、区分所有法と民法を重点攻略する→それにその他の法律を紐づけ体系化する。
(2)暗記科目として、建築設備と標準管理規約を押さえる。

の2点が大事です。筆者の法律科目対策としては、
(1)まず区分所有法と民法をテキスト中心に学習して基礎の土台をつくってしまう。(2)過去問を解く過程で出てくるその他の法律について、問題を解くつど当該法律の部分をテキストで参照する。
という手順を繰り返しました。

多々ある法律内容をテキスト優先で攻めると、よろしくない結果になると思います。くれぐれもご注意ください。

東京在住の30代半ば。 長年にわたり、資格に焦点を当てた企業での経験を積んできました。 資格の価値や重要性に魅了され、自身も多くの資格を取得し、その知識を広めるためにこのサイトを運営しています。資格に関する最新情報や詳細なガイダンスを提供し、個人やプロフェッショナルが自己啓発を追求し、成功に近づく手助けをすることを使命としています。資格についての情熱と経験を活かし、皆様の目標達成に貢献できるよう努力しています。