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行政書士を独学で受けると?
行政書士の試験を受けることを決めたら、勉強をせっせとやっていかないといけないことは誰でも想像できます。
それで使えそうなテキストを探すことになるのはわかりますが、ここでちょっとした思い違いをする人たちも出てきます。優秀なテキストがあれば、それをやるだけで行政書士に受かる、つまり独学で受かるという誤解です。
行政書士の勉強をする人たちは、スクールに入ったり通信講座を取り寄せたりと、誰かに習う方法を選択する人たちが多いのですが、コストや手間暇を気にするあまり、テキスト等を用意したらあとは独学で行政書士に受かろうと計画する人たちが必ず出ています。誰にも頼らないで独学で果たして受かるものでしょうか?
確かにいいテキストが市販されている時代ですし、それらを使って独学で行政書士の試験に通った人たちはいます。おそらく来年も再来年も、行政書士合格者の中にはテキストを自分で買ってきて独学で勉強した努力家も混ざっているでしょうが、しかしその人数となるとどうでしょうか?
合格率は低くて有名
行政書士の試験は合格率が低い試験として有名になっています。毎年数パーセントしか合格者はいません。
その合格者の中には、スクールや通信講座で勉強を教えてもらった人たちが大部分を占めているでしょう。
それも、1年ではなく何年も教えてもらっている人たちが当たり前のようにいます。
いかにわかりやすいテキストがあるとはいっても、独学で行政書士に受かろうとするのは堅実な方法だとはいいがたいのです。よくできたテキストには、執筆者が苦心していますからわかりやすい説明が記載されています。
しかし一方的に読み取るだけでは理解に限界があります。一流の指導者が語る説明を聞ける環境や、よくわからなくなってしまったときに質疑応答ができる環境があることは、合格を本当に呼び込んでくれます。
テキストのような教材だけで、独学で行政書士試験に通ることは困難です。時間を無駄にする危険がつきまといます。スクールがいやなときは、通信講座に申し込んで、上等のテキストと教材をもらって勉強すれば独学のように在宅で試験を目指せますからわりといい案になります。
独学のメリット・デメリット
行政書士をめざそう! と決意したとして、勉強の方法は
①自分で参考書を買って独学
②通信講座
③資格取得向けのスクール
という3つのパターンに分けられるでしょう。
私は①から②に移行したパターンですが、それぞれの学習方法のメリット・デメリットについて考えてみようと思います。
学習方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
独学 | 費用が最低限で済む 自分のペースで勉強できる 時間と場所を選ばない |
合格率は高くない 孤独との闘い 疑問点を質問できない 情報不足になる可能性 意志が強くないと挫折する可能性 |
通信講座 | カリキュラムが整っている 費用はスクールよりは安い 自分のペースで勉強できる 疑問点は質問できる 時間と場所を選ばない |
合格率は講座によってまちまち 孤独との闘い 意志が強くないと挫折する可能性 |
スクール | 合格率が高め カリキュラムが整っている 友人と励まし合え、挫折しにくい 疑問点は質問できる |
費用が高額になる 時間が確実に拘束される 近くに学校がないことも |
ここからは、「独学」「通学」「通信教育」それぞれの勉強法のメリットとデメリットについて、詳しく説明したいと思います。
独学のメリット
費用が安い
独学の最大のメリットは、学習費用が安いことだと思います。
通学の行政書士講座の場合は、15万円程の費用がかかる学校が多くあります。
通信教育講座は学習費用の幅が広く、数万円で受講できるところもあれば、十数万円かかる講座も多くあります。
ところが独学の場合は、かかる費用は基本的に、「テキスト代」「問題集代」「参考書代」だけです。
後は、受験手数料がかかるくらいでしょうか。
1回の受験で合格する人であれば、受験手数料まで全て込みで、3万円程で済んでしまうことすらあります。
勉強時間が自由
独学の他のメリットとしては、学習時間が自由に設定できることがあげられます。
資格予備校に通学する場合は、講義の時間に自分の学習時間を合わせる必要があります。
残業の多い会社員などは、講義に出ることすらままならない人もいます。
しかし独学の場合は、会社の仕事の合間に合わせて、自分の勉強時間を調整し時間管理をすることができます。
「残業が多くて疲れている日は30分だけ」「定時に帰宅できた日は3時間」というように、自由に勉強時間の設定ができるのです。
独学のデメリット
モチベーションの維持
独学には大きなデメリットがあります。
それは「モチベーション維持が非常に難しい」ということです、つまり途中で投げ出してしまう人が多いのです。
独学のメリットである費用の安さが、モチベーション維持という局面においては完全に裏目に出てきます。
資格取得の費用がかかっていない分、途中で勉強を止めてしまっても惜しくないわけです。
また独学の場合、学習仲間がいないことが多く、そのことが途中リタイアをまた容易にしています。
学習仲間がいれば途中で励まし合ったり、学習が進まないことの愚痴を言い合ったり、あるいは資格取得後の夢を語り合ったりできますが、全く一人で勉強しているとそれが出来ません。
色々な意味で最も効率が良い勉強方法はは、やはり通学か通信かもしれません。