司法書士の仕事は、ある程度決まっています。とはいえ、ひとつひとつ見ていくと「あれ、思ったより多い多いんだ!?」という感想を漏らす人が過半数ですね。
狭いようで広い、少ないようで多い司法書士の代表的な仕事を、ここでざっとご紹介しましょう。
【司法書士の代表的な仕事の一覧です】
目次
不動産登記
不動産の売買があるたびに、登記手続きは必ず発生します。
つまり、戸建て住宅や分譲マンションの売買があれば司法書士の出番は必ず発生するのです。
所有権の移転を登記する以外にも、住宅ローンを組んで住まいを買う人が多いですからそのローンの設定登記も大事な仕事になります。
相続関連
不動産の相続が行われるときに、その登記を行います。
また、遺言の執行やその周辺の手続きにかかわることも可能です。
商業登記
企業や法人の登記も、大事な仕事です。中小企業の国・日本では毎年おびただしい零細企業が誕生しますし、その設立に携わる司法書士は必ずいなければなりません。そのほか、役員の変更等の仕事も需要があります。
(簡易裁判所での)訴訟代理
これは、どんな司法書士でもできる仕事ではありません。2003年から発足した「簡裁訴訟代理等能力認定」を受けた司法書士でないとできません(俗に「認定司法書士」と呼ばれます)。
簡易裁判所でのみ、訴訟代理人として弁護士にやや近い形で活動できます。
成年後見
認知症や精神障害、知的障害といった自力で財産の管理等をできる状態ではない人たちのために、その権利を擁護する役目を遂行する仕事です。
ADR
ADRとは、裁判所を介さずに紛争を解決しようとする行為。ADRにかかわることができる士業は司法書士だけではありませんが、司法書士会はこの分野に最近、意識的に進出しようと努めています。
【司法書士が、顧客や安定した依頼を獲得するとできそうな仕事とは】
その他、企業案件
前述した不動産登記や商業登記と近いかかわり方で、企業・法人のためにいろいろな力添えをすることで法律上の顧問・アドバイザーとなることもできます。
たとえば金融機関であれば、信託にかかわる登記が発生することがあります。あるいは、債券や動産の譲渡登記や株式関係の手続きを専門分野にしている司法書士もいます。
長くパートナーシップを築いていれば、事業承継のような問題にかかわる機会もめぐってくるかもしれません。
その他、弱者のサポートや社会貢献
登記や供託、簡裁訴訟といった武器を活かして、社会的弱者の支援をするケースは着実に増加しています。
ひところ有名だったのは、やはり多重債務者のサポートでしょう。生活保護の受給者やホームレスを助ける活動を、精力的に続けている事例もあります。
その他、供託所・法務局(地方法務局含む)、検察庁への手続き
供託や登記はもちろんのこと、その審査請求をすることや、検察へ告訴・告発をすることも(多いとはとてもいえないのですが……)ありえます。
登記や供託といった仕事も、数十年前と異なり専門家にしかできないというイメージではないかもしれません(オンライン化・デジタル化の時代である以上、いかに独占業務とはいえどもいつまでも独り占めとはいかないでしょう)。
それでも時代に合わせて違った業務が新たに生まれていますし、登記や供託、あるいは成年後見といった司法書士ならではの強みからいろいろな仕事につなげていくことはじゅうぶんにできます。実際にそのような創意工夫ができる人材こそ、成功している司法書士になっているのです。