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FP2級は難しい試験か
さて合格率35%の試験の難易度はどう判断するかという問題です。
一般的には合格率が20%を超える資格試験は「易しいレベルの試験」と位置づけられています。
その観点からしますとFP2級試験は決してむずかしい試験とはいえないかもしれません。
しかし1点留意していただきたいことがあります。
それはFP2級の受験者の多くは、金融業界ではたらく社員であるということです。彼らはみな金融商品や税制、また資産の運用についてある程度の知識を持ち合わせています。
そのような背景を踏まえますと、「FP2級試験の合格率35%」は、もう少しきびし目に見積もっておいた方がよさそうです。
合格率が60%以上のことも
「2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定」は、ほかの国家資格と比べて、難易度はそれほど高くなく受かりやすいといわれています。
なかでも「日本FP協会」主催の「2級FP技能試験」は合格率が高く、高いときには合格率が60%を超えることも! ちなみに、ほかの国家資格の合格率は、行政書士や社会保険労務士が約10%、宅建主任は約15%です。
ファイナンシャルプランナーの試験は、身近なものを題材にした問題が多いので、結婚、家の購入、生命保険の見直し、親からの贈与・相続などを経験した人にとっては、勉強しやすい資格といえるでしょう。
ファイナンシャルプランナー2級は、6割正解で合格
2級FP技能検定は、6割以上の正解で必ず合格できます。合格ラインは、きんざいが「学科:60点満点で36点以上、実技:50点満点で30点以上」、日本FP協会が「学科:60点満点で36点以上、実技:100点満点で60点以上」です。
ほかの国家資格のように、「ひっかけ問題」があまり出ないので、過去問を中心とした学習で十分に合格できる難易度です。
大切なことは、「合格するための勉強」に徹すること。興味のある分野は深入りしがちですが、短期間で確実に合格するには「効率」が何よりも大切。
くれぐれも「試験に合格するための勉強」であることを忘れないようにしましょう。
合格率は30%は、むずかしい?それとも易しい?
FP2級試験(日本FP協会)の合格率をもとに、この試験の難易度を検証してみたいと思います。
FP2級試験は「それほどむずかしくはない」とお話しはしました。
しかし試験の動向を読みきちんと対策立てをしなければ、もちろん合格はできません。
まずは、過去のデータからご覧になってください。
学科試験の実施月と合格率
実施月 | 合格率 |
---|---|
2018年5月 | 42.93% |
2018年9月 | 39.47% |
2019年1月 | 48.26% |
2019年5月 | 40.17% |
2019年9月 | 43.42% |
2020年1月 | 41.86% |
実技試験の実施月と合格率
実施月 | 合格率 |
---|---|
2018年5月 | 51.68% |
2018年9月 | 50.52% |
2019年1月 | 50.31% |
2019年5月 | 62.65% |
2019年9月 | 62.63% |
2020年1月 | 62.61% |
学科+実技試験の実施月と合格
実施月 | 合格率 |
---|---|
2018年5月 | 51.68% |
2018年9月 | 50.52% |
2019年1月 | 50.31% |
2019年5月 | 62.65% |
2019年9月 | 43.41% |
2020年1月 | 41.90% |
3ブロック目の「学科+実技試験 合格率」が、純粋に合格率の目安として扱うことができます。つまりFP2級試験の合格率は35%前後と見てよいでしょう。
この35%という合格率は、難易度の高い資格でしょうか、それとも比較的易しい資格でしょうか?
合格率35%の資格は、取得する意味が大いにある資格でしょうか、それとも取得する意味がそんなにない資格でしょうか?
その答えは「FP2級は、比較的取得が意外と容易で、大いに役立つ」というものです。
その裏づけを明確に述べましょう。
FP2級取得者の約7割の方は、企業系FPとして、資格を仕事に活かしています。
FP2級試験に合格した10名中7人は、生命保険会社、損害保険会社、証券会社、また不動産会社などで、資格を活用している事実があります!
ファイナンシャル・プランナー(FP)という職業はまだまだ新しい資格です。一方で自分のライフプランをしっかり見直してみたい顧客のニーズは増加しています。
そのような背景も手伝ってはいますが、それにしても取得者の7割の人が活用できている資格というのはちょっとめずらしい気がします。
仕事をしながらでも合格できる?
あなたがまず知りたいのは、「結局、FP2級の難易度はどのくらいなのか?」ということだと思う。
「昼間、仕事をしていても、受かるのだろうか?」
「金融関係の仕事をしたことがないのだが、金融関係者に混じって合格できるのだろうか?」
「数字は苦手なのだけれど、大丈夫だろうか?」
・・・このような心配をしている人も多いと思われる。
答を言ってしまえば、FP2級試験は、
- フルタイムの仕事をバリバリしていても合格できるし
- 金融関係の仕事でなくても、銀行員や証券マンに混じって合格できる
- 数字は・・・「苦手」の度合いにもよるが、この試験を受ける以上は、数字に慣れてほしい
ちなみに、電卓を使った簡単な計算ができれば、FP2級の計算問題は解くことができる。
以上のことを一言で表せば、「FP2級の難易度はそれほど高くない」と言える。
ただし、「事前に勉強をしてあれば」という条件はつく。